トーシンホールディングス企業価値保全委員会
1.株主委員会設立の趣旨
私たちは、株式会社トーシンホールディングスの企業価値、事業、雇用および株主の正当な権利を守るため、会社更生法上認められた「株主委員会」を設立し、裁判所の承認を受けた正式な組織として、現在進行中の会社更生手続に関与することを目指します。設立する委員会の正式名称は「株式会社トーシンホールディングス株主委員会」であり、後日お送りする「同意書」は、この委員会が更生手続に関与することについてご賛同をいただくためのものです。
この株主委員会は、これまで活動してきた「トーシンホールディングス企業価値保全委員会」の趣旨を引き継ぎ、現在の更生手続の進め方に対する株主の重大な懸念と意見を、裁判所、管財人、調査委員その他の関係者に正式かつ継続的に表明するものです。
私たちは、会社の再建を妨げようとしているのではありません。
当社の三つの事業部門を可能な限り維持し、主要取引先および通信キャリアとの関係を守り、上場、雇用および企業価値の維持を図るという、本来あるべき会社再建を実現することを求めています。
2.会社更生法上の法的根拠
会社更生法第 117 条第 7 項は、株主によって構成される委員会について、裁判所が、その委員会による更生手続への関与を承認できることを定めています。
裁判所の承認を受けるためには、主として次の要件を満たす必要があります。
- 委員が 3 名以上 10 名以内であること
- 株主の過半数が、委員会が更生手続に関与することに同意していると認められること
- 委員会が株主全体の利益を適切に代表すると認められること
裁判所の承認を受けた株主委員会は、会社更生法第 117 条および第 121 条に基づき、次の活動を行うことができます。
・裁判所および管財人に対して正式に意見を述べること
・管財人から、更生会社の業務および財産の管理に関する意見聴取を受けること
・管財人が裁判所に提出した報告書、貸借対照表および財産目録等の提出を受けること
・株主全体の利益のために必要がある場合、管財人に対する報告命令を発するよう裁判所に申し出ること
・法定の要件を満たす場合、関係人集会の招集を申し立てること(株主委員会の申立てがあった場合、裁判所は関係人集会を招集しなければならないとされています。会社更生法第 114 条第 1 項)
・その他、株主全体の利益のために必要な意見表明および調査要請を行うこと
3.現在の更生手続に対する重大な懸念
会社更生法の申立て当初、当社の三つの事業部門を維持し、上場を維持し、従業員の雇用を確保しながら会社を再建するとの方向性が示されていました。
しかし、現在の手続は、当初説明されていた再建方針とは全く異なる方向へ進みつつあるのではないかとの重大な懸念があります。
このまま手続が進めば、次のような事態が現実化するおそれがあります。
・三つの事業部門が分割され、個別に売却されること
・当社の事業基盤が解体され、会社そのものが存続しなくなること
・主要取引先および通信キャリアとの関係が失われ、携帯電話事業の継続が困難になること
・既存株主の持分を大幅に希釈する第三者割当増資が予定されていること(管財人が公表した再建計画(令和8年5月8日付)では、スポンサー等に対する第三者割当増資により、「希薄化率300%を超えない範囲」で既存株式の議決権の希薄化が生じる可能性があり、その場合、既存株主は「一定の株主責任」を負担することになるとされています。)
・当社が債務超過ではないとの株主側の認識・主張について十分な検証が行われないまま、株主の権利が大幅に縮減または消滅させられること
・株主に対する十分な説明や情報開示がないまま、スポンサー選定、事業売却および更生計画の策定が進められること
特に、当社の事業の大宗を占める携帯電話事業は、通信キャリアとの信頼関係の上に成り立っています。その関係の維持に懸念を生じさせるような手続運営は、当社の企業価値と事業継続性を根底から揺るがしかねない重大な問題です。
会社更生法は、株主の権利を一方的に消滅させるための制度ではありません。同法第 1 条が定めるとおり、債権者、株主その他の利害関係人の利害を適切に調整し、会社の事業の維持更生を図るための制度です。
私たちは、現在進められている会社解体につながりかねない手続運営に明確に反対します。
4.株主委員会が求める事項
設立を目指す株主委員会は、株主全体の利益を代表し、裁判所、管財人および調査委員に対して、次の事項を強く求めてまいります。
- 三つの事業部門を維持する再建可能性を最優先で検討すること
- 主要通信キャリア、金融機関、取引先、従業員および株主との十分な説明・協議を行うこと
- 上場維持、雇用確保および企業価値保全の可能性を客観的かつ公正に検証すること
- 当社の資産・負債および事業価値を適正に評価し、債務超過の有無を含め、その根拠を明らかにすること
- スポンサー候補、スポンサー選定過程、事業売却方針および更生計画策定過程の透明性を確保すること
- 既存株主の持分を安易に希釈化させる前に、その必要性、相当性および代替手段を十分に検証すること
- 管財人による業務・財産管理が適切に行われているかを検証し、必要に応じて裁判所に対し適切な監督措置を求めること
- 会社更生法第 80 条に定める善管注意義務を尽くし、企業価値を不当に毀損する行為を行わないこと
- 株主に対する継続的かつ具体的な情報開示を行うこと
- 会社の解体ではなく、真に事業の維持更生につながる更生計画を策定すること
5.少数株主の皆様へのお願い
株主委員会を会社更生法上の正式な委員会として成立させるためには、一部の大株主の賛同だけでは足りません。
会社更生法上、株主の過半数が、株主委員会による更生手続への関与に同意していると認められることが重要な承認要件となります。そのため、保有株式数の多少を問わず、一人でも多くの株主の皆様の賛同が必要です。
これは、大株主だけの問題ではありません。
そもそも、会社更生手続開始の申立てがなされる前の会社は、更生手続きの申立てにより債務の支払を停止しなければ資金繰りが破綻するというような危機的状況に陥っていた訳ではありません。一般商取引債権者に対する支払に何ら支障はなく、取引金融機関に対する返済猶予の状態は続いていたものの、更生手続き申立以前の段階で既に各金融機関にはそれぞれの残高に見合う担保が提供され、金融債務はフル保全の状態となっていました。更生手続開始申立てによる債務弁済の一時停止に頼らなければ、会社の資金繰りが破綻するような危機的状況とはかけ離れていたのです。現に、管財人が令和8年5月8日に公表した再建計画においても、「当社グループは、現時点においては資産超過状態であると認識しております」と明記されています。正常な事業運営ができていればフル保全の各金融機関宛て債務についても粛々と返済を継続できたはずです。会社は、資金繰り面で危機的状況が一切発生していないにもかかわらず、敢えて会社更生法の適用を申請し、既存株主の持分を大幅に希釈化する第三者割当増資の手法で外部資金を導入して、金融機関向け債務の返済に充てようとしています。すなわち、既存株主の利益を犠牲にして、既に十分な担保を確保済みの金融機関向けの債務の返済に充てようとしているのです(同再建計画にも、スポンサーからの第三者割当増資が実現した場合には「これによる拠出金も弁済原資の一部を構成します」と記載されています。)。既存株主の犠牲の下、既に十分な担保を確保した金融機関への返済を早めようとしています。
多くの会社更生事件では、債務の返済に支障をきたし、実態債務超過の状態にあるため、株主が 100%減資を強いられるのですが、今回のケースではいずれも当てはまらないと、私たちは考えています。このようなケースで、一方的に既存株主の負担を強いることで獲得した外部資金でフル保全の金融機関の負債のみを返済しようとすることは、すべての株主にとって極めて遺憾な事態です。少数株主の皆様お一人おひとりの意思が、株主全体の総意を形成するうえで極めて重要な意味を持ちます。
株主委員会の設立および更生手続への関与について賛同をお願いする「同意書」は、株主の皆様へ順次お届けしております。近日中に、株主委員会の設立および更生手続への関与について賛同をお願いする「同意書」を、株主の皆様に郵送する予定です。
本声明の趣旨に賛同いただける株主の皆様におかれましては、同意書の内容をご確認のうえ、必要事項をご記入いただき、指定された期限までに同封の返信用封筒にてご返送くださいますよう、強くお願い申し上げます。
【同意書がお手元にない株主様へ】
お手元に同意書が届いていない株主様や、同意書を紛失された株主様で、本声明の趣旨にご賛同いただける方は、下記のリンクから同意書のPDFをダウンロード・印刷のうえ、日付とお名前をご記入いただき、下記の事務局までご郵送ください(押印は不要です)。
▶ 同意書PDFのダウンロードはこちら>>>(同意書PDF)
【ご郵送先】〒460-0002 名古屋市中区丸の内三丁目 20 番 6 号 豊友ビル 7 階 弁護士法人纐纈・吉野法律事務所内 株主委員会設立準備事務局
※ ダウンロード版をご利用の場合は、お手数ですが封筒と切手をご準備のうえご郵送ください。ご同意はいつでも撤回でき、ご記入いただいた個人情報の取扱いは、お届けした同意書に記載のとおりです。
皆様からいただいた同意書は、株主委員会について裁判所の承認を求める申立てその他必要な手続のために使用します。
ご賛同いただいた株主の皆様に、費用のご負担をお願いすることは一切ありません。また、本同意は、株主総会等における議決権の行使を何ら拘束するものではありません。ご記入いただいた個人情報は、裁判所への提出および本件に関するご連絡のためにのみ利用します。
6.結び
今、声を上げなければ、当社の三つの事業、雇用、上場会社としての歴史、そして株主の権利が、十分な説明も検証もないまま失われるおそれがあります。
主要取引先との関係を回復し、従業員の雇用を確保し、企業価値を保全したうえで、当社を真に再建することを求めています。
株主委員会の設立を通じて、株主の声を正式に裁判所へ届け、公正で透明な会社更生手続を実現するため、株主の皆様のご理解とご賛同を心よりお願い申し上げます。
以上
【同意書のご返送先・手続に関するお問い合わせ】
〒460-0002 名古屋市中区丸の内三丁目 20 番 6 号 豊友ビル 7 階
弁護士法人 纐纈・吉野法律事務所内 株主委員会設立準備事務局 電話 052-971-3998
【発送・ご返送方法に関するお問い合わせ】
株式会社アドバイザリー・カンパニー 電話:03-6810-0933(担当:坂上達也)