株式会社ジェットは、東京地方裁判所による株式会社トーシンホールディングスの会社更生手続開始決定について、令和8年6月8日付で東京高等裁判所へ即時抗告を申し立てました。
申立書では、更生手続開始の法的要件を満たしていないこと、再建可能性や資産状況に関する判断に重大な問題があること、さらに申立手続自体にも違法性が存在すると主張しています。
即時抗告の主な内容
1.会社更生手続開始の要件を満たしていない
- 支払不能に陥る客観的な危険性は認められない
- 金融機関との協議は継続しており、期限の利益付与についても相当程度の理解が得られていた
- 私的整理による再建の可能性が十分残されていた
と主張しています。
2.債務超過ではない可能性が高い
- 保有不動産16物件の価値を適正に評価すると大幅な含み益が存在する
- 帳簿上でも純資産超過状態である
- 不動産評価を反映した場合にはさらに大きな資産超過となる可能性がある
として、債務超過を前提とした更生手続開始の判断に疑問を呈しています。
3.更生計画成立の見込みが乏しい
- KDDIやソフトバンクとの取引条件変更により、モバイル事業の収益悪化が懸念されること
- 二次代理店である株式会社オーレンジへの端末供給停止により販売機会の損失が発生していること
- 事業計画の前提となる収益確保が困難になっていること
などを指摘し、更生計画の実現可能性に疑問があると主張しています。
4.株主権利の著しい希薄化への懸念
- 更生計画によって既存株式の価値が大幅に希薄化される可能性
- 多数の株主が更生手続に強い懸念を示していること
- 株主の同意を得ることが極めて困難であること
が指摘されています。
5.不当な目的による申立ての疑い
- 株主総会による経営陣交代の動きが進む中で更生手続申立てが行われたこと
- 管財人による経営権管理や既存株主の影響力排除が目的ではないか
との疑念が示されています。
6.取締役会決議手続の違法性
- 更生手続申立てを決定した取締役会の招集手続に問題があったこと
- 管財人就任により利益を受ける立場にある取締役が決議に参加したこと
- 当該取締役を除くと必要な賛成数を満たさない可能性があること
を理由に、申立て決議そのものが無効であると主張しています。
まとめ
株式会社ジェットは、トーシンホールディングスに対する会社更生手続開始決定について、
「更生手続開始の法的要件を満たしておらず、申立手続にも重大な問題がある」
として東京高等裁判所へ即時抗告を申し立て、原決定の取消しを求めています。今後の高等裁判所における審理の行方が注目されます。
※本記事は、株式会社ジェットが提出した即時抗告申立書の内容を要約したものです。裁判所による判断は今後の審理を経て行われます。