2026/9/7|東京高等裁判所が許可抗告を認める決定

会社更生手続をめぐる重要な法的論点について最高裁への抗告が許可されました

令和8年(2026年)9月1日、東京高等裁判所第11民事部は、会社更生手続開始決定に対する抗告事件について申し立てられていた許可抗告を認める決定をしました。

決定書では、申立人が東京高等裁判所の令和8年7月28日付決定に対して許可抗告を申し立て、その理由について、「民事訴訟法337条2項所定の事項を含むと認められる」として、「本件抗告を許可する」と判断されています。

今回の決定は、申立人側が主張している内容そのものについて最終的な判断が示されたものではありません。

一方で、東京高等裁判所が、申立ての理由に法令の解釈に関する重要な事項が含まれていると認め、抗告を許可したという点で、今後の手続における重要な進展といえます。

許可抗告で問題とされた「3つの重要な論点」

申立人側は、原決定には「法令の解釈に関する重要な事項」が3点含まれており、いずれもその解釈によって原決定の結論が左右されると主張しています。

1.代表取締役は「特別の利害関係」を有する取締役に当たるのか

第一の論点は、会社法369条2項に定められる「特別の利害関係」の解釈です。

申立人側は、

株主総会による解任が確実となった代表取締役が、自らを管財人候補者とする会社更生手続開始の申立てについて判断する取締役会決議に参加できるのか

という問題を提起しています。

申立人側の主張によれば、本件の取締役会決議は、出席取締役5名のうち、

賛成3名・反対2名

で成立しており、この賛成3名には当該取締役本人が含まれていました。

そのため、仮に当該取締役が「特別の利害関係を有する取締役」に該当し、議決に参加できなかったとすれば、賛否が同数となり、決議そのものが成立しないという主張です。

申立人側は、最高裁昭和44年3月28日判決も引用し、形式的な法律効果だけではなく、公正な議決権行使を期待できるかという実質から判断すべきではないかと問題提起しています。

2.株主総会による役員解任を回避する目的は「不当な目的」に当たるのか

第二の論点は、会社更生法41条1項4号に定められる「不当な目的」の解釈です。

申立人側は、

株主総会による役員解任の帰結を回避する目的で会社更生手続開始を申し立てた場合、「不当な目的」による申立てに当たるのか

という問題を提起しています。

原決定では、「株主としての影響力の抑制を図ることについては一定の合理性がある」として、この棄却事由への該当性が否定されたとされています。

これに対して申立人側は、取締役の選任・解任は株主総会に認められた権限であり、その行使自体を抑制することを会社更生手続利用の合理性として認めることには問題がある、と主張しています。

この点は、会社更生手続と株主による会社統治との関係をどのように考えるのかという問題にもつながります。

3.資産超過の会社について「支払不能が生ずるおそれ」をどう判断するのか

第三の論点は、会社更生法17条1項1号の「支払不能が生ずるおそれ」の解釈です。

申立人側が問題としているのは、

資産超過の会社について、手元資金などによる即時の弁済可能性を中心に「支払不能が生ずるおそれ」を判断してよいのか

という点です。

申立人側は、支払能力については、単に現在の現預金などを見るのではなく、

財産・信用・収入を総合して判断すべき

と主張しています。

さらに、約9か月にわたり継続した取引金融機関による事実上の支払猶予や、大幅な含み益を有する換価可能資産についても考慮すべきであり、これらを考慮しない原決定の判断には重要な法令解釈上の問題があるとしています。

東京高裁が「抗告を許可」

これらの理由を踏まえて行われた許可抗告の申立てについて、東京高等裁判所は令和8年9月1日、

本件抗告を許可する。

との決定をしました。

決定理由では、申立ての理由について、民事訴訟法337条2項所定の事項を含むと認められることが示されています。

つまり今回の決定は、申立人側の3つの主張について最高裁が最終的に認めたというものではありませんが、最高裁で審理されるための重要な段階を通過したことになります。

今後の手続を注視してまいります

今回の許可抗告では、

① 取締役会決議における「特別の利害関係」
② 会社更生申立てにおける「不当な目的」
③ 「支払不能が生ずるおそれ」の判断基準

という、会社法および会社更生法の解釈に関わる重要な問題が提起されています。

特に本件では、会社更生手続と株主総会・取締役会による企業統治との関係が問題となっており、今後どのような判断が示されるのかが注目されます。

企業価値保全委員会では、引き続き本件手続の進捗を確認し、株主その他の関係者の皆様に対して、確認できた事実・資料に基づき情報をお知らせしてまいります。

2件のコメント

  1. やはり最高裁はまともな判断しますね!地裁がAMT弁護士に騙されて会社更生法許可したのがバレたね!事前から握ってやってるから当然だと思うね!管財人はさっさと解任決議しなさいよ。

    1. 管財人はさっさと辞めろ!親が作った資産食いつぶすしかのうが無いよな!まぁ実力も無いし、社員からの信頼0だからな。

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